灯台を訪ねる旅・宮崎県東岸
Date:2004/9/24~26

旅のスタートはJR日豊本線・清武駅です。JR博多駅からリレーつばめ31号、九州新幹線つばめ31号、特急きりしま4号を乗り継ぎ、約4時間40分の輪行の旅でした。
スタートして間もない総合運動公園の前でスコールのようなすさまじい雨になり、歩道橋の下で雨宿りしつつ雨具を装着し、待つこと30分弱、やっと小降りになり出発できました。最初の目的地の青島神社近くに自転車を停め、雨具のまま日向青島灯台の撮影に向います

日向青島灯台は日南名物の「鬼の洗濯板」の中に立っています。潮が引ききっていない鬼の洗濯板は窪みに海水が残り、岩にも苔が生えてぬるぬるしていて、直ぐにコケて(転んで)お尻を強打しました。雨具は股下部分が裂け、携行していたハンドルバッグもずぶ濡れになりましたが、カメラが無事だったのは幸いでした。その後はへっぴり腰で慎重に進みどうにか撮影出来ました。
青島神社へ引き返す途中、海岸線からかなり急勾配の崖の上に立つ次のターゲットの戸崎鼻灯台が見えました。戸崎鼻灯台は堀切峠側から近づく予定でしたが、ルートが見つけられず時間も押してきたので諦めて先を急ぐことにしました。

国道220号線(日南フェニックスロード)を南下して、内海港の河口に架かる橋を渡り、山側の民家の横の階段を登って行くと、ちょっと泥に汚れたちびっこの「内海港導灯(後灯)」が見え(写真では奥の左側にちっちゃく見えますが・・・)、海側に立つ「内海港導灯(前灯)」もすぐに発見できました。
日南の海岸線は「鬼の洗濯板」に代表される波状岩がず~っと続いていますが、内海港導灯(前灯)付近も同様に波状岩になっていました。
「内海港導灯(前灯)」は六角形の雄々しい導灯で、お色直しも済んだばかりの颯爽とした姿が印象的でした。

国道220号線をどんどん南下しますが、追い風にも助けられて快調に走り続けます。宮崎県の道路は交通量が少ないので走りやすく感じますが、車道と路側帯を仕切る白線がデコボコ仕様なので、自転車には走り辛い感じです。
巾着島灯台が見えてきました。巾着島へ続く堤防を辿っていくと、左側に灯台まで続く階段があります。分かり易いので迷うことはないと思いますが、灯台へ続く電線も目印になります。 階段には赤い「沢がに」がいっぱいいましたが、海の近くで沢がにに出会うのは、なんとなく変な感じです。でも、結構いるんですよね。

これが巾着島灯台へ続く階段です。階段を登りきって海岸沿いに進むと、更に灯台へ続く階段が見えてきました。
写真を撮り終え、コンビニで買った昼食を摂りながら濡れた雨具を乾かし、小休止しました。この後はTシャツとレーパンで快走です。

鵜戸岬をめぐる海岸沿いの細い道路を走っていると、右手に鵜戸埼灯台が見えてきました。鵜戸埼灯台は珍しい石灯篭型灯台ですが、デザイン灯台のジャンルに含まれ、周囲の環境や景観にマッチした外観の灯台として建設されたものだそうです。
天気も回復し、写真の背景にも青空が広がってきました。
近くに鵜戸神宮もありますが、観光/参拝はパスして先を急ぎます。鵜戸神宮の近くで季節外れの「桜」が開花しているのを見かけましましたが何で今頃?。

油津港にはいくつもの防波堤灯台があります。
油津港内防波堤灯台、油津港西内防波堤灯台、油津港東防波堤灯台、油津港西防波堤灯台の4つです。写真左側の白塔型が油津港西防波堤灯台で、右側の赤塔型が油津港東防波堤灯台です。

油津港東口導灯(前灯/後灯)は猪崎鼻公園の中に立っています。写真は前灯ですが、灯高が低いので探すのが大変でした(探し出した牛ちゃんの粘り勝ちです)。更に、撮影場所のすぐ後ろは断崖絶壁で、後方を気にしながらの撮影になりましたが、高所恐怖症の方にはお勧めできないですね・・・。
導灯の下部は赤レンガで造られており歴史を感じました。赤レンガのうえに白いペンキが塗られていましたが、そのままのレンガ姿が素敵なのにな~!。プレートが付いていなかったのも残念です。

油津港東口導灯(前灯)の正面の裸碆(はだかばせ)に立っている裸碆灯台です。この灯台は国土地理院の2万5千分の1地形図には載っていませんが、新しい灯台なんでしょうね。この日は、南郷町の目井津港近くにある旅館に泊まりましたが、ここは鮪料理と鰹料理が名物で、夕食には「鮪の目玉焼き」と「鰹のづけ」など、食べきれないくらい料理が出て、それでも2食付きで7,000円!。本日の走行距離は65km。明日は、目の前の「目井津港」から「大島」へ渡ります。

2日目(9/25)は朝8時の渡船(南郷町営、片道400円、所要時間9分)で大島の竹之尻港へ渡りました。天気は晴れです。昨夜の天気予報では「曇り時々雨、のち晴れ」という落ち着かないものでしたが、写真を撮る間は晴れていて欲しいな~。

大島の「竹之尻港」の遠景です。竹之尻港から鞍埼灯台まで、普通に歩いて約40分(約2.3km)でした。大島での所要時間は、写真を撮影する時間等も考慮すると、最短でも1時間半は見ておきたいですね。道路は舗装されていますが、落葉や落枝が腐葉土となり堆積している場所もあります。途中では道路で日向ぼっこをしている蛇を何匹も見かけました。蛇よけの棒は必需品ですよ。

白亜の鞍埼灯台です、青空の下に堂々とした巨体で立っていて、左側には「鞍埼水島照射灯」があります。
撮影を終えて竹之尻港まで戻り、油津の目井津港を10時半過ぎにスタートしました。今日は国道448号線を走りますが、さわやかな追い風に背を押されて快調に距離を稼いでいきます。
芋や麦を海水で洗い、あるいは味つけをして食べるような行動をする、いわゆる文化猿で有名な「幸島(こうじま)」を過ぎると、いよいよ都井岬灯台まで続くアップダウンが始まります。

都井岬観光ホテルに到着しました。でも、更に高台に建つ都井岬灯台を見上げると溜息がでそうになります。気持ちを奮い起こしてスタート。ちょっ下って、またず~っと上り、なかなか頂上(都井岬灯台)に着きません。
途中の木々は台風(16号 or 18号)の被害で折れているものもあります。木々を揺らす風の音もすごい!。ヘロヘロになって都井岬灯台に到着しました。150円の入場料を払って灯台の階段を登り展望台へ着くと、写真で見ていた都井岬灯台の展望が広がります。でも、下から階段越しに見る都井岬灯台(写真)も素敵ですよね。

都井岬観光ホテルの横から下って、都井岬ハラジロ瀬照射灯を撮影しました。降ると、また登ることになりますが仕方ない・・・。

都井岬観光ホテルまで戻る途中で見つけた子馬達です。夢中で草を食んでいました、観光客は完全無視で・・・!。

都井から串間の抜ける途中に「都井トンネル」と「鵜戸トンネル」があります。ゆっくりゆっくりと坂を登り、鬢垂島(びんだれしま)灯台を撮影するため、本城から海岸線にでました。一里塚荘入口という看板が立つ狭い脇道へ入り、行き止まりで自転車をデポして、岬の先端まで徒歩で進みます。そして鬢垂島灯台の遠景を撮りました。

鬢垂島(びんだれしま)灯台の遠景です。
写真を撮った後、福島大橋を渡って串間市街(意外と古い民家/商家が立ち並んでいました)を掠め、志布志を目指しました。今日は志布志のビジネスホテルに泊まり、明日は早立ちして鹿児島を目指します。
17時前にホテルに到着、本日の走行距離は77.7km。

3日目は志布志~鹿屋~垂水~(フェリー)~鹿児島(中央駅)へ走り、鹿児島中央駅から九州新幹線で輪行して博多まで帰ります。6時45分にホテルを出て、9時半前に垂水港に到着。9時50分のフェリーに乗船しました。写真はフェリー船上から撮影した桜島です。

同じくフェリー船上から撮影した神瀬灯台です。桜島周辺は下調べして行かなかったので、家に帰った後で名前を調べましたが、予定していなかった灯台が撮影できると、ちょっと得した気分です。

3日間、トータルの走行距離は約200km。ツーリングにしては少なめですが、灯台を訪ねて写真を撮影して回れば、1日の走行距離は80km程度までが限度のようです(道路のすぐ側に灯台があれば良いのですが・・・)。また、今回は天候が不安定で泣かされました。ただ走るだけであれば、少々の雨が降っても気にならないのですが、写真撮影もあるので、雨が降ると困ります(暗くなるとか、カメラが濡れるとか・・・)。また、いろいろと気遣うのも疲れます。
初日に豪雨に襲われ、一時はどうなることかと思いましたが、その後は(結果的に)天候にも恵まれ、快適な旅ができました。良い?写真も一杯撮れましたよ。


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